理事長所信

第60代理事長 柴﨑 政俊(柴﨑政俊税理士事務所)

勇気×笑顔の波紋 ~信頼、協働、変革そして確かな未来へ~

2019年度理事長所信

はじめに

1959年に、ここ八代の地で30余名の青年が明るい豊かな社会の実現を目指して八代青年会議所を立ち上げられました。数々の確かな歩みを経て、2019年で60周年という節目の年を迎えます。その時々の時代に応じ、先輩方は住み暮らす故郷を良くしようと運動を続けて来られました。そして、今年は平成という一つの時代が終わり、新たな時代がはじまる年でもあります。今という時代に正面から向かい合い、この先5年、10年そしてさらにその先を見据えて次の世代のためにまちを良くする運動を展開していかなければなりません。

 

仲間とは

JC運動の根幹は拡大にあります。全盛期は100名を超えていた八代JCもここ数年は70名前後で推移しています。人口減少や都市部への人口流出が続く中、会員数が減るのは仕方がないという声もありますが、このような時代だから明るい豊かな社会の実現に向けた志をもった仲間を増やしていく必要があるのではないでしょうか。40歳までのこの団体で多くの仲間と出会い、様々なことを経験し、時には壁にぶつかることもあるでしょう。先行き不透明な時代だからこそ、自らに修練を課し、その学びを家庭、仕事、そして地域社会へと還元することができる仲間を増やし続けていかなければなりません。本年度は、八代地域を中学校校区に分けて、つながりを重視した拡大運動を展開します。そして、入会3年未満のアカデミーメンバーに対しては、紹介者だけでなく、経験豊かなメンバー一丸となってサポートを行い、退会者を無くすとともに、JAYCEEとしての成長の機会を提供します。さらに、日本青年会議所の提供する優良なプログラムを活用し、会員の資質向上に努めます。

 

レジリエントな地域社会とは

予期しない災害という言葉がここ数年良く聞かれるようになりました。2016年度熊本地震では熊本県内の各地が大きな被害に見舞われました。ここ八代も最大震度6弱に見舞われ、多くの被害が出るとともに、市民の憩いの場である八代城跡の石垣が崩れたことは周知の通りです。八代地域は地域の生活のよりどころである球磨川を有していますが、宝暦5年の大洪水で萩原堤が決壊して大きな被害が出たように、水害に度々悩まされてきました。そして、現在松江にある八代城跡も、もともと麦島にあった城が1619年の大地震により倒壊し、移ったものです。予期しない災害と言ってしまえばそれまでですが、どこでいつ災害が起きてもおかしくありません。災害が起きた際に迅速に行動に移せる体制を常日頃から考えなければなりません。

八代地域では、地の利を生かして昔から港町として栄えてきた歴史があります。昨今は他の地方都市同様に経済が疲弊している現状は否めませんが、八代ではここ数年クルーズ船の寄港が年々増加傾向にあります。まちとしても、この機会をどのように活かすかを考えなければなりません。せっかく多くの観光客に来て頂いても、そこにお金を使ってもらえる魅力がなければみすみすその機会を逃すことになります。八代の魅力とは何か。他の都市を真似していても成功は望めません。八代ならではの魅力に焦点をあて、地域住民が誇りを持ち、対外的に発信できるブランドへと昇華させなければなりません。そして、2022年に築城400年を迎える八代城について、2016年より続けてきたやつしろ白鷺城まつりの方向性を明確にし、地域を巻き込んだ運動を展開してまいります。

 

多様性とは

最近は八代市内でも外国人を見かけることが多くなってきました。人口減少による労働者不足を補うため、クルーズ船の寄港など様々な背景があります。一方で、今まで以上に女性の社会進出が謳われ、働き方改革という言葉が示すように働き方についても従来の終身雇用、年功序列が通用しなくなってきています。交通・通信インフラの発展に伴い、時代の変化の流れが加速し今までの価値観が通用しなくなるこの現状で、明るい豊かな地域社会を築いていくには社会そしてそこに住む人々が子どものころから多様性を受け入れる必要性がますます高まってきています。

 

道徳心溢れる人材とは

そもそも、全ての根幹は人材にあります。そして、JCという組織には地域社会を引っ張るリーダーを育てるという重要な役割があります。求められるリーダー像とは何なのでしょうか。答えは一つではありません。もちろん、高いコミュニケーション能力を有し、部下を的確に導く人材もそうでしょう。では、皆がそのような方向性を目指すべきなのでしょうか。日本には古来より和の精神性があり、親しまれてきました。その和の精神性の根幹にあるのは、健全な道徳心であると考えます。親がまっとうな背中を見せれば子どもは育ち、上司がまっとうな背中を見せれば部下は自ずとついて来ます。根幹はここにあり、その後にコミュニケーションなどの技術的な側面が来るのだと私は考えます。

そして、この道徳心は経済とも密接に関わっているものであると感じます。渋沢栄一の論語とそろばんにあるように、どちらか一方に偏ることなく、バランスを保つことが重要です。確かな道徳心を持った金銭感覚を身につけることは、青年経済人としてなくてはならない要素です。また、金は天下の回り物という言葉があるように、そのお金がどのように経済を巡っているのかも知る必要があります。

 

組織とは

言うまでもなく、国の最高法規は憲法です。JCにすれば、それは定款ということになります。ルールは時代とともに変化していきます。現在の憲法が時代に即しているかどうかの議論がなされるのと同じように、八代JCの憲法である定款そして、各種規定が時代に合っているのかを一度考えてみなければなりません。定款、規定が作られた背景を踏まえつつ、この団体が時代の即した運動・活動をするにはどうすればよいのかを模索します。また、私たちの運動・活動を効果的に伝えるために、広報活動は非常に重要な要素です。広報チャネルが多様化する中、組織の広報について誰をターゲットにどのようにどうやって行うのかをしっかりと考え実行してまいります。そして、活動原資である財政についても、費用対効果を考えつつ効果的な予算の執行と、会費以外の外部資金の導入も積極的に検討していきます。

 

最後に

なぜ八代JCは60年間も続いてきたのか。それは先輩方の歩みが着実に地域に浸透し、地域に必要とされる団体であり続けてきたからに他なりません。様々な市民団体が溢れる今、JCがある時代からJCもある時代となっていることは確かです。しかし、多様な価値観が認められつつある今だからこそ、JCだからできるひとづくり、まちづくりを次の時代に引き継いでいかなければなりません。60周年という節目に感謝し、未来への可能性を切り開く事業を展開し、より地域に根差した団体を目指します。

JCは団体ですが、一人ひとりメンバーであるJAYCEEがまちを想い、家族を想って運動・活動をすることで成り立っています。一人のがんばりで何かを変えることはできません。しかし、その一人が行動を起こさなければ変革は起こりえません。八代JCメンバー一人ひとりが勇気を持って笑顔で一歩を踏み出し、相互に信頼し合い、協働することで、水面を伝わる波紋のように地域社会にポジティブな変革を促し、確かな未来へと歩みを進めていきます。

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