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2022年度理事長所信
第63代理事長 渕上 玄輝
2022年度スローガン
義理人情
~歴史と未来が輝くやつしろの創造~

【はじめに】
2019年末に発生した新型コロナウイルス感染拡大から約2年経ち、未だ収束の目処が立たず、地域社会や私たちの身近な生活環境は大きく変化せざるを得ない時代となりました。
私たちが住み暮らす八代地域においても「コロナ禍」というワードが耳に慣れてきましたが、今なお感染者が増加し続けることで、生活・仕事・家庭・教育など、様々な面で将来に不安を抱える方が多くあります。
しかし、昨年はこのような世界情勢においても、海外で活躍するスポーツ選手や東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されるなど明るい話題が聞こえて来ました。
八代市でも新型コロナウイルスワクチン接種の取り組みが活発に進み、今後のアフターコロナに大きな希望をもたらしています。世界や国内各地域で毎年当たり前のように開催されている事業や祭事、大会など中止や縮小せざるを得ない今だからこそ、物事を悲観的に捉えず挑戦し、新たな変革をもたらすことが責任世代である我々青年の使命ではないでしょうか。
八代JCは1959年の設立から63年の信頼と実績があり、先輩諸兄姉はJC三信条(修練・奉仕・友情)の基、個人を高め合い、地域に無償の愛をもって奉仕し、仲間同士の絶対的な友情で問題を解決し、幾度となく時代の困難を乗り越えてきました。こんな時代だからこそ、同じ志を有する仲間と前を向き議論を交わし続け、人や文化を含めた地域資源を最大限に引き出し、この地域と時代を担う子ども達の笑顔溢れ輝く未来の実現のため2022年も持続可能なJC運動・活動に務めてまいります。
【会員拡大の使命、輝くJAYCEE】
「JCにはなぜ会員の拡大が必要なのか。」
20歳から40歳までの青年経済人で構成されるJCは、入会者不足や経験豊富なメンバーの卒業などにより、全国的に会員減少傾向にあり中にはLOM自体、存続の危機になり得るケースもあります。私が入会した翌年2005年に会員数100名まで盛り返した八代青年会議所も、本年度は40名でのスタートとなります。では、人が減り事業構築が困難になるから拡大をするのか。それもゼロではありませんが本来の拡大目的は他にあると考えます。JCの使命(JCI Mission)には、「より良い変化をもたらす力を青年に与えるために発展・成長の機会を提供すること」とあります。会員拡大を持続的に行う事が市民意識変革の機会であり、JC運動の根幹ではないでしょうか。40歳で卒業の制度があるJCは、常に魅力ある新たな仲間を迎え入れることで互いに刺激し合い成長し、その活力が運動・活動に発展していきます。本年度は会員拡大を最優先課題とし、闇雲の勧誘や一部のメンバー任せではなく全メンバーが担当者だという自覚と本来の拡大目的を再認識し、実現可能な目標を掲げ、このまちの未来を真剣に語り合える仲間の拡大運動を広く展開していきます。また、新入会員や入会3年未満のアカデミーと経験豊かなメンバーとが交流し運動・活動することで人と人とが磨き上げられ個性が輝き、JAYCEEとしての責任を自覚し、様々な困難を解決する知識と行動力が身に付きます。それはJCだけではなく必ず地域や家庭、仕事により良い変化をもたらす魅力溢れるリーダーへ成長を遂げます。また、日本JCが推奨する「理念共感拡大グランドデザイン計画」と照らし合わせ、メンバー全体の意識向上に努めます。
郷土愛に溢れ輝くまちづくり
「郷土愛とは、住民が自ら育った地域に対して愛着ないし忠誠を抱く思想、心情である。」
八代地域は、くま川は基より、海・山・平野の豊かな自然の恩恵を活かし発展してきました。明治以降は、インフラ整備の充実、鉄道や港の整備により、工業・産業が大きく発展。農水産業では全国に誇る生産地として名を連ね、城下町の名残を残す中心市街地も一時は商業施設で活気に溢れ、先人たちの努力により人々が住み暮らしやすいまちに成長しました。また、八代城跡の石垣をはじめ、石工たちが築いた数々の日本遺産や多くの歴史的文化財など、百余年たった今もまちの景観や人々の暮らしと共に生き続けております。しかし、2020年以降、コロナ禍の中にニューノーマルという言葉が注目され、私たちの生活は急速に変化しました。不要不急な外出自粛やオンライン化が推奨され、人々は距離を保ち安全性を確保しながら日常を送ることが必須となり、先行き見えない不安を抱え未来への希望が薄れてきています。
しかし、過去いかなる時代も困難を乗り越えてきたのは互いを想い、郷土の幸福を願う人々の努力があったからではないでしょうか。八代JCは、2016年より八代城跡(八代宮)を地域のシンボルとし、市民に愛される拠り所と成すべく、白鷺城まつりを開催してきました。そして今年は築城400年を迎えます。またと無いこの機会をコロナ禍における輝くまちづくりの起爆剤とし、郷土を愛する市民と各団体と協力連携し、記憶に根付く事業を展開してまいります。
安心・安全な防災
災害大国と呼ばれ、全国各地で毎年、自然災害により甚大な被害が増加し、更には激甚化してきている日本において、少しでも被害を軽減する取り組みや、一人ひとりの防災意識は持続的に向上を図る必要があります。記憶に新しい、平成28年の熊本地震や、令和2年7月豪雨では八代を含む県南地域を中心に大きな被害に見舞われ、今なお復興に向けての取り組みが続いております。八代JCでは2019年に災害に強い地域社会を目指すため、八代市・氷川町社会福祉協議会と災害支援協定を締結し、日本JCや地域団体との連携で令和2年7月豪雨や各地の災害復興支援に迅速に行動を起こすことのできる団体へと成長してきました。その際に得た教訓や経験を今後も活かし、災害ネットワークの強化と地域全体の防災意識向上に努めなければなりません。
次代を担う子どもたちの健全育成
近年、子どもたちを取り巻く環境はICTの普及やコロナ禍の影響で、家庭でのオンライン授業や、野外での遊びや行動が制限されるなど新たな生活様式となり、多様化する社会において家庭や学校だけではなく、より一層地域全体で子どもたちの健全な成長を見守る環境を整える必要があります。私たちが育った時代と変われども、大人が子どもの成長を願う想いはいつの時代も変わることはなく、次代を担う子どもたちは地域のかけがえのない宝です。身体的・精神的にも人生の基礎づくりとなる大事な時期に、自由な発想で自ら体験した学びから将来たくましく生き抜く力を見出す機会が必要ではないでしょうか。そこで本年は、家庭や学校など普段の生活では学ぶことのできない自然環境や集団での体験型事業を通じ、多様性に対応でき、道徳心溢れる子どもの健全育成の一助となる事業を展開していきます。また、本年も熊本県で開催されるわんぱく相撲の運営に積極的に取り組み、未来の両国国技館へ通じる子どもたちの貴重な経験として運営を務めてまいります。
開かれた組織運営
「1年365日8760時間、この時間はすべての人々に平等に与えられた時間です。」
八代JCの組織運営とは、その特性上、内にも外にも常に最新の状態で開かれた団体であるべきと考えます。八代JCは62年に渡る組織運営を定款に基づき、時代と共に変革をもたらし歩んできました。昨年は男女問わずの育児休暇制度を導入されるなど、JCがより、家族の理解を得られる仕組みも促進していかなければなりません。また、会員間での情報・スケジュールの共有、各種案内などを明確かつ効果的に発信できる開かれた組織の円滑な運営を目指します。そして、地域の皆様に我々の運動・活動をより効果的に発信するためにICTの活用方法をしっかりと理解し、正確で随時新しい開かれた発信を行ってまいります。さらに、すべての会議や事業において、安心なまちやつしろプロジェクトの感染症対策を取り入れコロナ禍に左右されない運営を実施します。本年は8760時間1分1秒無駄にすることなく地域の発展と成長のため、全メンバーが結束し常に最新の状態でより効果的に運動・活動できる環境整備に努めてまいります。
最後に
少し前は5年、今は3年経てば世の中は大きく変化すると言われるよう、社会環境が急激に変化し続けています。今までのやり方や常識が通用しない今、その変化に合わせ柔軟に対応していくことが重要となり、変化に対応する力が求められています。JCは国や郷土のピンチの時に立ち上がり、誰よりも先に動き出し、家族や社員も守りながら前を向き続ける団体です。一人ひとりが地域のリーダーとして社会全体を青年の目線から幅広く捉え、問題や課題を自ら見つけ、より良く変えていくことができます。仲間と共に夢を語り、真剣にJC運動・活動に取り組むことで青年としての英知と勇気と情熱が育まれ、その力を持って明るい豊かな社会の実現に向かい突き進んで参ります。義理と人情。青年会議所に入会して19年、JCの先輩方から教わった中の一つ、私自身の行動指針であり、今の時代だからこそ大切にしたい言葉です。何だか古臭く捉えられがちですが、JCで言うところの義理人情とは絶対的な仲間だから生まれる信頼関係だと考えます。人間同士、自分が願っても相手に伝わらなければ意味がありませんし伝わるかどうか確実な方法はありません。しかし、常に相手への興味と気遣いを忘れず、その努力を実践し継続できる人は義理人情に厚く、多くの信頼を寄せることに繋がり、多くの人の心を動かすことができるのです。義理人情に厚い仲間が集う八代JCは一年間、まずはメンバーが笑顔であり、失敗を恐れることなくワクワクを追い求め、地域の皆様と共に社会の課題を解決し、持続可能な歴史と未来が輝くやつしろの未来を創造すべく邁進していきます。
あなたの一歩が、あなたのまちになります。
大丈夫。
まちもJCも、ここからだ。